※本記事は、弊社が2020年3月に公開した Should I Get a Laser Cutter or a 3D Printer? を翻訳し、修正を加えて作成したものです。

レーザーカッターとは?

 レーザーカッターは、レーザーを使用してあらゆるデザインやパターンで素材を加工することができます。レーザーや素材の種類に応じて、蒸発させる、溶かす、焼くといった方法で加工します。なぜレーザーカッターを使うのか、そもそもレーザーカッターとは何かといった疑問があると思いますが、その答えは「直接手を触れずに、非常に複雑なデザインを精巧に作ることができる手段である」ということです。レーザーカッターでよく使われる素材は、ガラス、木材、宝石、紙、プラスチック、金属などです。カッターとはいうものの、実際に刃がついているわけではなく、最新のレーザーを使用して彫刻や切断、刻印を行います。目的に応じて、以下の3種類の主要なレーザーから選ぶことができます。

  1. クリスタルレーザーカッター:より厚い材料の加工に使用されます。出力が高いため消耗が早いという特徴があります。
  2. CO2などのガスレーザーカッター:CO2とヘリウムや窒素などのガスを動力源としています。これらは安価であり、あらゆる素材に使用することができます。
  3. ファイバーレーザーカッター:グラスファイバーを使用し、固体レーザーとも呼ばれます。反射する素材にも使用することができ、クリスタルレーザーカッターよりも長持ちします。

 レーザーカッターの最大の長所は、高精度に加工できること、あらゆる材料に適していること、環境汚染のリスクが少ないことです。しかし、レーザーを使用すると当然エネルギーの消費量は大きくなります。また、加工する材料によっては、有毒物質を排出するリスクもあります。厚い素材を加工する場合には、加工部分が焦げてしまうこともありますので、取り扱いには注意が必要です。

3Dプリンターとは

 次に、3Dプリンターはどのようなもので、実際にどう動作するのかについて説明します。3Dプリンターは、CADソフトで作成したデータや3Dスキャンしたデータをもとに、熱で固めることができる粉末や樹脂を一層一層薄く積み重ねていくことで造形を行います。

 レーザー3Dプリンターは、樹脂を固めることでプラスチック製の3Dオブジェクトを作成します。素早い造形が可能なため、従来の方法では製造に何週間もかかっていた作品でも、数時間で作れることもあります。さらに、自由にデザインができますので、標準の金型では製造が難しい形のものでも造形することが可能です。光造形型の3Dプリンターでは、レーザーを使って樹脂を固める一方で、粉末焼結積層造形方式(Selective Laser Sintering)の3Dプリンターはポリマーの粒子を高温で焼結していきます。

レーザーカッター VS 3Dプリンター

 レーザーカッターと3Dプリンター、それぞれの特徴をご紹介しましたが、次は2つの違いをみていきましょう。どちらも創造や実用的な目的で使用されます。素敵な芸術作品を作りたいという場合もあれば、日常で必要な部品を作りたいという場合もあると思いますが、どちらの場合でもレーザーカッターと3Dプリンターの双方がとても役立ちます。

 まず、両者の最も大きな違いは造形過程にあります。レーザーカッターの場合は、基本となる素材を準備して、そこから切断や彫刻などをして削っていくという過程で製造を行います。例えば、硬いガラスに愛する人への甘いメッセージを刻み込むということができます。レーザーカッターには、分厚い素材を切断することができたり、紙やプラスチックなど非常に薄い素材に適した設計の製品もあり、様々な長所を持った機器があります。

 3Dプリンターの場合は、ゼロの状態から樹脂を積み重ねていくことで製造を行います。そのため、様々な色を組み合わせたり、素材を使用したりすることができます。また、複数のピースを作成して、それらを組み合わせるということも可能です。

 レーザーカッターと3Dプリンターのどちらを選ぶべきかは何を作りたいかによります。もし、平らな素材に対して切断したり彫刻するだけであれば、レーザーカッターがより適しているでしょう。3Dプリンターの場合は複雑な形の物を作りたい場合や、ゼロから何かを作り上げなければいけない場合などに適しています。このとき、使用した樹脂(フィラメント)が基本の素材になります。

Makeblock Laserbox

 もし、教育現場や家庭でレーザーカッターの導入を検討しているのであれば、Makeblockが提供するLaserboxの使用をおすすめします。Laserbox(レーザーボックス)は、創造と教育のために設計されたレーザーカッターです。手描きの絵を素材に加工したり、自作のおもちゃやのパズルなどを作ることができます。安全・安心に操作できるだけでなく、創造性の高い作品制作を実現できます。

Laserboxの主な特徴

 デスクトップ型レーザーカッター「Laserbox」は、紙、木材、ゴム、プラスチック、皮革など、様々な素材を加工することができます。AI視覚アルゴリズムを搭載した500万画素の超広角カメラは素材を自動認識し、適切なレーザー経路をプログラムします。さらに、切断や彫刻したい素材の場所の調整も簡単に行うことができます。手描きの絵を読み込み保存し、あとから使用することも可能です。また、加工する前には、どのように切断や彫刻されるのかを確認できたり、オートフォーカスモードに設定すると複雑な設定をせずに加工することができます。もし作業途中に機械のカバーを開けてしまっても動作が自動停止するので、子どもでも簡単かつ安全に使用することができます。

mCreate(日本では未発売)

 もし、3Dプリンターに関心が向いているのであれば、Makeblock製の3Dプリンター「mCreate」から始めてみてはいかがでしょうか。特に子ども向けのSTEAM教育には最適です。mCreateは、革新的な技術を使用して作品を製造します。mCreateは創造性を重視して設計されているので、STEAM教育の様々な場面で力を発揮します。高精度で造形できるだけでなく、作品に応じて、レーザー彫刻モードに切り替えることができます。

mCreateの主な特徴

1. ハイテクなレベリング調整

 主な特徴の1つに、高性能なレベリング調整機能(ステージの水平調整)があります。mCreateはAIを使用して、3D造形のためのより正確で信頼性の高い作業計画の設定までしてくれます。レベリング調整が上手くいかずに、一層目がステージにしっかり粘着せず思ったような品質での造形ができないという問題を防ぐことができます。

2. スマートノズル

 スマートノズルには、冷却システム、素早い切り替え、フィラメントセンサーが搭載されています。フィラメントセンサーは、造形途中にフィラメントが不足した状態で動作することを防いでくれます。

3. 柔軟な磁気ビルドプレート

 柔軟な磁気ビルドプレートは、出来上がった作品をステージから剥がしやすくしてくれます。mBuildのプレートは加熱することができ、また磁気シートは反りのないオブジェクトの密着性を高めてくれます。加えて、造形が終われば磁気シートを取り外すことができるので、簡単に作品を剥がすことができます。

4. 停電による中断後の再開

mCreateは、停電が起こる環境下でも問題なくご使用いただけます。停電すると、すぐにノズルが上昇し、造形途中の作品が損傷することを防ぎます。電源が戻ると、再び造形を開始します。

5. 多目的でユーザーにも優しい操作ツール

簡単にレーザー彫刻モードに変えることができ、彫刻を行うこともできます。

  • 3Dプリントモード:Cureと呼ばれる3Dスライスソフトウェアを起動し、mCreate用のプラグインをインストールします。次に、デバイスとして「Makeblock」を選択します。この時、プリントのパラメータは自動で設定してくれます。Cureがモデルのスライシングを終えると、プリント準備完了です。
  • レーザー彫刻モード:ソフトウェア “Laserbox for mCreate” を使用すると、画像処理、彫刻領域とパラメータの構成、プロジェクトに合わせた最適な彫刻経路の計画などを設定してくれます。
6. 湾曲した面への彫刻

 mCreateはビルドボリュームが大きいので、一定の大きさであれば固体オブジェクトの湾曲した面に彫刻を行うことができます。レーザー彫刻を使ってケーキやチョコレートなどの食品をデザインすることもできます。加えて、紙、板紙、木板、段ボール、竹板、ゴム板、皮革、布、非透過のアクリル、プラスチックなどにも彫刻が可能です。